平成20年度富山県特別支援学校知的障害教育校PTA連合会研修会。
今年の県知P連研修会の資料は当日受付で配布されるそうです。
「富山米さんの話題提供が早く読みたい」という要望があるので、先行配信いたします。
事務局に叱られるかしら?
第4分科会「今親たちは何をすべきか?」
「子供のためのネットワーク構築について」
◎まずはラジオ体操から始めよう!
皆さんは夏休みのラジオ体操にお子さんを参加させていますか?
ラジオ体操は一番手っ取り早い地域参加なのです。
うちの子は今では中3で地域の小学生からは恐れられていますが、小学部6年間はずっと夏休みの間ラジオ体操に通っていました。
低学年の時は私が付き添いましたが、そのうち自分でキックボードを蹴って行くようになりました。
おかげでたまに休むと地域の子たちが、「今日はラジオ体操に来なかったね。」などと声を掛けてくれるようになりました。
顔を覚えられることはしょうがい児にとって最大の武器です。
ぜひチャレンジしてみてください。
◎作業所や福祉施設デビューをお早めに!
私は地元の富山市で長年しょうがい児のサークルをやっていました。
そのため、昔から作業所や授産施設を訪ねています。
もちろん、日中預かりのために富山型デイサービスなども利用しています。
福祉就労先では時々、各養護学校から高等部の生徒さんが就労体験に来ていますが、「○○って子、知ってる?」と私に聞かれます。
顔も名前も知らないなんて、これはいかにその生徒さんが地域デビューを果たしていないかということが言えます。
小学生の時から福祉施設に顔を出していれば、高等部になってから「あの子は誰?」などとは言われないはずです。
ネットワークは可愛い時分からが大切です。
高等部になった時に、「やあ!大きくなったね。」なんて言われたら占めたものですね。
◎「14歳に挑戦」に挑戦してみてください。
昨年、うちの子は学校で唯一「14歳の挑戦」を果たしました。
私から学校へ提案したのです。
学校側も快く承諾してくださり、夏休み期間中、担任の先生が一度フォローに出向き指導するという形で3日間でしたが体験してきました。
いつも利用している富山型デイサービス事業所での実施でしたが、9時から4時までの長丁場を根気良く働きました。
もちろん、いきなり「14歳の挑戦がしたい!」といってできるものではありません。
受け入れる事業所がうちの子のことをよく理解し、私の熱意を汲み取ってくださり、
また学校の了解も得られてのことです。
どれ一つ欠けてもこうした取組みは実りません。
これもまた、ネットワークのなせるわざなのです。
◎夏休みには就労体験もしています。
昨年の夏休みや今年の春休みには就労支援継続B型事業所で就労体験もしました。
また、知り合いの業者に頼んで、廃棄物処理業者でペットボトルのラベルはがしも体験しました。
就労体験では、さすがに迷惑を掛けてはいけませんので、週に一回、半日だけ、しかも私がみっちり付き添っての体験です。
これさえもいきなり事業所に訪ねていって、「就労体験させてください!」といったところで受け入れてもらえるものではありません。
やはり、小さな時からうちの子のことをよく知っているから受け入れてくださるのだと思います。
ときどき作業所の販売品を購入したり、散歩がてらどんなところなのか様子を見に行ったりすることも大切なのではないでしょうか?
◎いろんなところに顔を出そう!
他にも我が子はいろんなところに顔を出しています。
小学生の時には地元の児童クラブに参加していました。
地域の人たちは大人も子供も皆優しい人ばかりです。
月に2回は学童保育に行かせています。
小学部の子たちが多いので、遊びもありますがもっぱら最近は用具の片付けや掃除に精を出しているようです。
富山市にできたガイヘル事業所では夏休みにプールへ連れていってもらいました。
私では絶対無理なウォータースライダーを何度も満喫し、有頂天で帰ってきたのを思い出します。
富山市が市民プールとして開放している小学校のプールにも行かせています。
監視員の人たちはシルバー人材から来たようなお年寄りばかりですが、「ほらほら、ちゃんと泳がんかい!」などと、うちの子にはっぱを掛けてくださって本当に助かります。
育成会では学齢期の活動にも参加していますが、県大会などにも積極的に本人大会に参加させています。
一回りも違うお兄さんがうちの子に声を掛けてくれたりしますが、わかっているのかいないのか?
それでも、しょうがい者同士の関わりはこれから先大いに役に立つことでしょう。
もちろん、近くのスーパー、コンビニ、ドラックストア、百円ショップなどの買い物は必ず付き添わせています。
というか、付いてきます。
どんどん買い物経験を積んでもらいたいものです。
◎扉は自分から開けてみよう。
子供のためのネットワーク作りはやがて社会へ出たときの大きな力となります。
自分たちが年老いてしまっても誰かが子供を助けてくれるかもしれません。
面倒がらずに小さなうちから張り巡らせておくことが大切です。
私はよく育成会で本人さんたちと話をしますが、一番心配なのは親が死んだ時だと言います。
「俺はご飯も作れないし、そしたら誰がご飯作ってくれるのかな?」。
余りにも切実でもらい泣きすらしそうになることもあります。
もし小さな時からこの本人さんに多くの人の手が差し延べられていたとしたら、もっと彼は安心して暮らせるに違いありません。
ネットワーク作りはこんなふうに本人が安心して将来生きていけるために役立つのです。
人に話し掛けるには大変な勇気がいりますが、ちょっと踏ん張って子供のために一歩足を踏み出しましょう。
富山はまだまだ捨てたものではありません。
必ず誰かがあなたとお子さんを救ってくれることでしょう。