鈴蘭日記

自閉症で重度知的障がい者の息子のお話です。

よろしくお願いします。

福祉起業家セミナー。

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先日お知らせしたとおり、大塚由紀子氏のお話を聞いてきました。

自身で福祉起業家経営塾を開いていらっしゃるせいか、ちょっと講義っぽくて私には興味のない部分もありました。

でも、大塚氏自身しょうがい者の働くたいやき屋さんを西調布で営んでいます。

そのご苦労なども話しておられました。

詳しくはリンク先をご覧ください。




むしろ、前座といっては失礼ですが、大塚氏の前に話されたNPO法人ぱれっとの南山氏の話は参考になったり、考えさせられたりすることが満載でした。

元々はしょうがい者のたまり場として創設されたのがぱれっとです。

(こういうモノは私も地元でやっていきたいなあと思っています。)

それから、クッキーやケーキを作って販売する福祉作業所ができ、そののち渋谷区の補助を受けてグループホームを開設します。

その後、南山氏がオーナーをしているスリランカレストラン「ぱれっと」が開店します。



南山氏が言うには、もうクッキーだとかパン屋という類は飽和状態で、これ以上作っても経営が成り立たないだろうということでした。

飲食店も競争が激しく、とにかく「しょうがい者が働いているから一度来てください。」などというキャッチフレーズでは勝ち残れないとも話されました。

お店が成り立つには働くしょうがい者本位であってはならず、お客さん本位でなけけば商品は売れないし、経営も成り立たないとのことです。

それともう一つ大事なのは、保護者が先頭に立つ職場であってはならないこと!!

若い人を雇って、しょうがい者を指導するのではなく共に働くのが大事なんだと話されました。

理屈は分かっていてもなかなか難しいですね。



大塚氏にしても南山氏にしても共通した意見は、「授産施設はしょうがい者の働く場ではない」ということでした。

指導者と利用者という主従関係があり、一日中同じような作業を費やし、結局は工賃が月に一万円というような内容ではしょうがい者本人が活かされないというのです。

保護者は、「この仕事ならこの子にできるだろう…」という考えでいます。

そうではなくて、仕事というものは自ら求めるものであり、働いたことが目に見えるものでなくてはならないというのが2人の意見でした。

「君じゃないとダメなんだ!」と人に必要とされながら、喜びと生きがいを持って働くことが本当の当たり前の姿だと言えるのですね。



しかしながら、事業を起こしてしょうがい者を雇用し、半永久的にお給料を払い続けることは大変なことです。

たいやき屋さんのブログを読んでもその苦労が窺えます。

もっと身近に、例えば就労継続支援事業所が様々な仕事を提供し、それに見合った工賃が支払えれば申し分ないですよね。

私も長男にはそっいった事業所に行けるよう今から鍛えております。

私たち保護者も一体となって、いい知恵を絞りながら、そういった事業所を応援していったら良いのではないでしょうか?