就労体験5日目。
昨日は就労体験もどきの最終日でした。
袋詰めの仕事もなくなり、ペーパーナイフでチラシを裁断する仕事をしました。
ところがナイフを使った経験がないため、教えるのに四苦八苦しました。
コツが掴めないため、何度やってもチラシが破れてしまいます。
見かねて向かいに座って同じ作業をしていた高齢の利用者さんがお手本を見せてくれます。
職員さんも、「どうせチラシなんだし、何十枚、何百枚練習してもいいよ。」と言ってくださいました。
5センチくらいの長さのチラシを何度も切らせ、体で覚えるように練習します。
短い長さなら一人でも切れるようになってきました。
それでも30センチの長さのものはなかなか上手く切れず、私が手を添えてやります。
「もうダメだ!この子には絶対無理」と諦め出した頃、急にスイスイと切れるようになりました。
ステップアップした瞬間です。
しょうがい児の可能性とは計り知れないものです。
こんな一瞬にしょうがい児を持つ者の喜びを感じたりしませんか?
それからは本人も仕事が身に付いて嬉しかったのでしょう。
ケラケラと笑い声を出しながら何十枚と切っていきました。
長男が細長く切ったチラシは、利用者さんの手によって写真のようなペン立てなどに変わっていきます。
このほかにも壁掛けなど様々な製作品が生まれます。
こうして5日間の就労体験は終わりました。
最初は「働く場の雰囲気だけでも長男が感じてくれたら。。。」と思って始めたことですが、こんなに熱心に働いてくれるとは思ってもみませんでした。
私は長男が頑張ったからといって、他のお子さんにも「中学部から働け!」とは言いません。
皆それぞれ人生を歩む速度は違いますし、興味も違います。
長男はたまたま「働く」ことが好きで、それを楽しむ力があるだけのことです。
ただ、これで長男の将来に見通しがついたのは間違いありません。
私は息子が高等部に進学してから慌てて就労先を探すようなことだけはしたくはないのです。
今夏、様々な経験をやらせたことでまた私も新たに目標を作ることができました。
長男が得意なことは更にレベルアップし、苦手なことは何とか身に付くように、これからも継続して指導していきたいと思います。
今回はいつも慣れ親しんでいる事業所で働かせていただく幸運に恵まれました。
知っているところとはいえ、外から見ているのと実際に中で利用者さんと共に働くのとは訳が違います。
案外、長男よりも技術的に劣っている大人の方もいらっしゃってちょっと安心しました。
高等部の校内実習では、先生がタイムウオッチを持ち、私語は絶対禁止で、集中力を高めるために立って仕事をさせる場合もあると聞きます。
でも、実際に現場に行ってみると、和やかな雰囲気でお気楽な利用者さんもいらっしゃることが分かりました。
昨日も私は長男の養護学校を卒業した先輩お姉さんと世間話しながらやってましたし、長男もあぐらをかきながら仕事をしています。
あんまりだらけてもいけませんが、どうせ1割負担の「就労継続支援」なのだからデイサービスを受けるつもりで、思いつめずに気楽にやるほうが長続きする秘訣かもしれません。
そんな感じで福祉就労を捉えてはいかがでしょうか?
それでも長男には利用料以上の工賃をゲットできるようこれからも鍛えていきたいと思います。
来夏とは言わず、来年の春休みも挑戦させたいですし、今度は他の事業所を予定しています。
長い休みを無駄にすることなく、1年1年スキルアップしていきたいですよね。
今年は本当に良い年でした。