鈴蘭日記

自閉症で重度知的障がい者の息子のお話です。

よろしくお願いします。

紙ちぎりで3週間。

今週は2日間にわたり、長男の養護学校عで学習参観がありました。

長男よりも他の子たちが気になる私は、高等部の校内実習を見てきました。

高2と高3はそれぞれの現場へ就労体験に行っていますが、高1は学校の中で作業実習を3週間行います。

2学年がいないせいか、シーンと静まり返った高等部棟は足音一つ立てられないような雰囲気で、その中で黙々と働く生徒たちを発見しました。

教室内は先生の「はい、はい、はい…。」と掛ける声が響くだけで、ひたすら紙をちぎる生徒が3人。

見ればどの子も重度の範囲に入るしょうがいの子ばかりではありませんか!

すでに午前11時を過ぎて、(ここで私のお腹が鳴ったらどうしよう)などと心配しながら、まるで収容所のような雰囲気の作業に唖然としていました。



一体どこにそんな過酷な事業所があるというのでしょう。

まず、たまに気分転換で紙ちぎりをやらせるところがあるにしても、ひたすら紙ちぎりだけをさせている事業所などありえません。

大概の事業所はこんなところだったり、こんなところだったりします。

確かに「しょうがい者自立支援法」のおかげで就労継続B型に移行し、工賃を上げることに必死の事業所も増えてきました。

でも、重度しょうがいの人たちまで右ならえする必要があるのでしょうか?

お母さん方に聞けば、「うちは生活介護でいいのよ。」と言っています。

ならば、入所が困難になった今、老いる両親の手を少しでもわずらわせないよう、生活訓練を中心にした実習があっても良いのではないでしょうか?

肢体不自由の養護学校では「生活体験実習」と称して、市内のデイサービス事業所に行って様々な経験をする実習を行っていると聞きます。

知的な子たちにもそのような実習があっても良いのではないでしょうか?



「これでいいのだ。」と感じている保護者にも問題があります。

もっと現場を見てくださいどんな事業所も明るく楽しいところばかりです。

息も詰まるような校内実習の現場を見せられて、「こんなことが本当の養護教育なのか!」と呆然とする富山米です。