就労継続支援B型の罠
先日、地元の新聞に小さな記事がありました。
世の人々にとっては大した問題でもないでしょうが、私たちにとっては一面トップに躍り出ても不思議ではない内容です。
わかりやすく取り上げてみます。
パンの製造をしているB型事業所があったとします。
国が工賃アップを掲げたため、経営コンサルタントを招いて指導を仰ぎました。
おかげで売り上げもアップし、工賃もそれなりに倍増しました。
しかし、それからが問題です。
更に工賃を上げようと事業所側は努力します。
ところが、パンを売って得た利益は全て利用者さんへ還元されるため、更なる原材料の購入や設備投資ができないのです。
事業所側に入ってくるお金は常に報酬単価の1人1日4,800円のみ。
職員にボーナスを出そうにも、ガソリン代が高騰し売り上げの中から補てんしようにも、全くできないのがB型事業所の罠なのです。
こんなことを民間企業の社長さんにボヤいてみなさい。
「そんなおかしな話があるか!」と一蹴されてしまいます。
「しょうがい者自立支援法」はそんなおかしな法律なのです。
お母さん方、もし施設見学に行かれたならそうした裏側があることを頭に入れながらじっくり見てきていただきたいと思います。
新聞の小さな記事は、そうした現実の中を生きる福祉社会の憤りと悲しみが書かれていたのです。