閉鎖病棟
昨日は年寄りの面会に精神科病院に行ってきました。
行くのは3回目です。
今までは病室の手前の大広間までしか入れませんでしたが、年寄りが病室にいるというので奥まで通されました。
病室へ繋がる廊下の入口にも扉があり、施錠されています。
203号室に年寄りはいました。
想像していたとおり何もない殺風景な部屋でした。
西向きの窓に日差しが照り付けないようにすのこが下がっていますが、何故かそれが鉄格子にさえ見えてしまいます。
隣の老婆は一生懸命自分の寝巻の袖をほおばっていました。
年寄りの向かいの老婆は、始め寝ているのかと思いましたが、念仏でも唱えるように独り言を言ってました。
その隣の老婆は時折素っ頓狂な声を上げます。
年寄りが一生懸命体を起こそうとするのですが、なかなか起き上がれません。
見ると幅30センチもある頑丈な布のベルトで拘束されていました。
病棟の奥のほうでは、別の老婆が大きな声で「痛い、痛い」と叫んでいます。
それに反して、看護師や介護士の明るい声が聞こえます。
閉鎖病棟。
初めて入った。
でも、不思議なことに、以前入所していた施設よりははるかに面会に来やすいです。
それは、誰も年寄りに対して嫌味なことを言わないから。
私の息子がB型事業所に通っていた頃は、どうしても他の利用者より能力が落ちますから家にいてもハラハラしてましたけど、今は生活介護事業所なので気楽に通わせています。
それと同じことです。
精神科病院なら他の患者も皆同じ。
うちの年寄りだけが突出して迷惑を掛けているわけではないという気軽さが私を救っています。