炭谷氏講演記録。
何ですか。先日の講演記録が県育成会会報に載るらしいです。
あらら。。。
(社福)恩賜財団済生会理事長
炭谷 茂 氏
「環境福祉学を障害者福祉に生かす」
◎37年間の国家公務員生活で経験し、実践したこと。
私たちは貧困というと、アフリカ難民を想像するが、実際には貧困とは老人であったり、障害者であったり、母子家庭であったり、刑期を終えた刑余者だったり、或いは最近はニートと呼ばれる世代であったりする。
最近は景気が良くなっても、この貧困層は無くならず、むしろ増え続け、社会との関係が築かれないままでいる。
イギリスでは平成12年に、この社会から排除された弱年層を何とかしようと、「社会的排除対策室」が設置された。
スラム街と呼ばれる地域を一掃しようと人々が立ち上がったのである。
まずは、人々が集まる公園を整備した。
それも、整備するのは障害者であったり、老人などの弱者である。
草を刈ったり、花や木を植えるなど整備すると自然に人が集まるようになった。
スラム街がスラム街でなくなった。
これが、『ソーシャルインクルージョン』と呼ばれるもので、直訳すれば「社会的包摂」と読むが、その意味は「包み込む社会作り」というものである。
大阪では平成16年に「社会貢献事業」というものが始まった。
社会福祉協議会が5,000~6,000万円を投入し、弱者を支援しようと立ち上がったのである。
また、平成18年より住吉公園の管理を知的障害者を雇用し行っている。
更には古着のリサイクルショップを開店したり、プランターや鉢植えを販売する花屋なども開店している。
一般に知られる「ノーマライゼーション」の理念にも限界が見えてきた今、住民参加で取り組む「ソーシャルインクルージョン」の理念が台頭しつつある。
◎これからの日本
1970年代にイタリアで生まれた「ソーシャルファーム」は、今やヨーロッパ全土に広まり、1万社以上に膨れ上がった。
その業種は環境整備、農業、ホテル経営、サービス業など様々である。
こうした「ソーシャルファーム」を日本でも2千社を目指して進めていく。
しょうがい者、引きこもり、ニート、高齢者など社会参加の難しい人々は日本でもすでに2千万人以上といわれる。
第1の職場が一般企業就労、第2の職場が福祉就労とするならば、「ソーシャルファーム」は第3の職場として発展しなければならない。
効率的な町づくり、環境と福祉を結びつけることによって、障害者の社会参加にも繋がり、日本社会そのものも変革していくであろう。
◎具体的な取り組み
現在のところ、環境福祉学会では70社の事業所の協力を得ている。
前記した大阪府あいりん地区での公園管理、古着のリサイクル。
北海道のリサイクル会社での知的障害者の雇用。
有機農法による大葉作りや有機肥料作り。
竹炭作りによる森林管理などが上げられる。
リサイクル会社では、機械に頼れば70%しか回収できない資源を、自閉症の障害者が90%の回収率までアップさせている。
障害者の特性を上手く取り入れることで、企業側も生産性をアップし、障害者自身にも生きる勇気を与える。
また、競争の激しい弁当業界でも、弁当の配達を精神や知的障害者にさせたところ、人気が高まり増収へとつながった。
小さなお弁当屋にも弱者の社会参加が成立している。
こうした「ソーシャルファーム」の発展に大切なのは企業人と福祉の結びつきである。
また、国や行政の支援が必要で、日本はまだまだ遅れている。
それにも増して大切なのは地域に住む市民の協力の必要性である。
記録:富山米
あらら。。。
(社福)恩賜財団済生会理事長
炭谷 茂 氏
「環境福祉学を障害者福祉に生かす」
◎37年間の国家公務員生活で経験し、実践したこと。
私たちは貧困というと、アフリカ難民を想像するが、実際には貧困とは老人であったり、障害者であったり、母子家庭であったり、刑期を終えた刑余者だったり、或いは最近はニートと呼ばれる世代であったりする。
最近は景気が良くなっても、この貧困層は無くならず、むしろ増え続け、社会との関係が築かれないままでいる。
イギリスでは平成12年に、この社会から排除された弱年層を何とかしようと、「社会的排除対策室」が設置された。
スラム街と呼ばれる地域を一掃しようと人々が立ち上がったのである。
まずは、人々が集まる公園を整備した。
それも、整備するのは障害者であったり、老人などの弱者である。
草を刈ったり、花や木を植えるなど整備すると自然に人が集まるようになった。
スラム街がスラム街でなくなった。
これが、『ソーシャルインクルージョン』と呼ばれるもので、直訳すれば「社会的包摂」と読むが、その意味は「包み込む社会作り」というものである。
大阪では平成16年に「社会貢献事業」というものが始まった。
社会福祉協議会が5,000~6,000万円を投入し、弱者を支援しようと立ち上がったのである。
また、平成18年より住吉公園の管理を知的障害者を雇用し行っている。
更には古着のリサイクルショップを開店したり、プランターや鉢植えを販売する花屋なども開店している。
一般に知られる「ノーマライゼーション」の理念にも限界が見えてきた今、住民参加で取り組む「ソーシャルインクルージョン」の理念が台頭しつつある。
◎これからの日本
1970年代にイタリアで生まれた「ソーシャルファーム」は、今やヨーロッパ全土に広まり、1万社以上に膨れ上がった。
その業種は環境整備、農業、ホテル経営、サービス業など様々である。
こうした「ソーシャルファーム」を日本でも2千社を目指して進めていく。
しょうがい者、引きこもり、ニート、高齢者など社会参加の難しい人々は日本でもすでに2千万人以上といわれる。
第1の職場が一般企業就労、第2の職場が福祉就労とするならば、「ソーシャルファーム」は第3の職場として発展しなければならない。
効率的な町づくり、環境と福祉を結びつけることによって、障害者の社会参加にも繋がり、日本社会そのものも変革していくであろう。
◎具体的な取り組み
現在のところ、環境福祉学会では70社の事業所の協力を得ている。
前記した大阪府あいりん地区での公園管理、古着のリサイクル。
北海道のリサイクル会社での知的障害者の雇用。
有機農法による大葉作りや有機肥料作り。
竹炭作りによる森林管理などが上げられる。
リサイクル会社では、機械に頼れば70%しか回収できない資源を、自閉症の障害者が90%の回収率までアップさせている。
障害者の特性を上手く取り入れることで、企業側も生産性をアップし、障害者自身にも生きる勇気を与える。
また、競争の激しい弁当業界でも、弁当の配達を精神や知的障害者にさせたところ、人気が高まり増収へとつながった。
小さなお弁当屋にも弱者の社会参加が成立している。
こうした「ソーシャルファーム」の発展に大切なのは企業人と福祉の結びつきである。
また、国や行政の支援が必要で、日本はまだまだ遅れている。
それにも増して大切なのは地域に住む市民の協力の必要性である。
記録:富山米