鈴蘭日記

自閉症で重度知的障がい者の息子のお話です。

よろしくお願いします。

ソーシャルファームその2。

昨日の講演会の続きです。

私は家で内職をしていますね。

内職をくれる会社は本業がプラスチック部品の加工です。

できあがったプラスチック部品にピンを刺す工程を内職者に委託しているわけですが、我が家では例えば1日5箱のノルマがあるとしたら、昼間のうちに私が4箱やって、わざと1箱残し夕方に長男にやらせているのです。

これが「ソーシャルファーム」だと思います。

実際には息子が内職をしていることなど会社には秘密にしていますが、1つの製品を作る工程の中にしょうがい者の手ѡを使ってあげることがソーシャルファームの意義だと炭谷氏は述べているのだと思われます。



近頃はエコの時代ですから、あらゆる製品も再利用ということで資源回収業者も増えてきました。

電化製品などは機械を使って分解すると70%しか資源が回収されないのだそうです。

ところが、自閉症のしょうがい者を雇って細かく分解させたところ、90%にも及ぶ資源が回収できたんだそうです。Ӥä

こだわりが強く、とかく厄介なしょうがいと見られがちな自閉症も、このように作業工程の中に取り入れてあげると思わぬ力を発揮するということが言えると思います。



都会のほうではˤお弁当業界も競争が熾烈を極めるそうですね。

少しでも安く、おいしい商品を提供しようとどの企業もアイデアを捻っているそうです。

あるお弁当屋さんが、弁当の中身を作るのは健常者、配達する部門に精神や知的しょうがい者を配置したところ、「お宅の弁当はいいޥ」と評判になったそうです。

健常者がお弁当を配達すると事務的で何とも味気なくなってしまう。

ところが、しょうがい者が配達するとニコニコと明るく笑い、お弁当を受け取るお客さんも自然に笑顔になると言うのです。֥ϡ

不思議なものですね。しょうがい者には人を幸せにする力が潜んでいるみたいです。



作業所や授産施設で働くことは所詮「福祉サービス」と呼ばれる部類のものです。

しょうがい者自立支援法のおかげで、利用者は1割負担になりましたが、あとの9割は税金によって賄わなければなりません。

麻生総理大臣が消費税を上げたがるのも仕方がないことです。ޤݤ

しかしながら、少しでもしょうがい者が企業の担い手になって報酬を得られるようになれば、しょうがい者の生活も潤い、また生きる力にもなるし、社会も同時にしょうがい者を受け入れるようになるのです。

「ソーシャルファーム」を推進することによって社会が生まれ変わる。

これが、炭谷氏の説く「ソーシャルインクルージョン」と呼ばれる理念なのだそうです。