鈴蘭日記

自閉症で重度知的障がい者の息子のお話です。

よろしくお願いします。

県養P連研修会

富山県知的養護学校PTA連合会研修会が行われました。

私は4年連続で出席しています。

午前中は地元の大学の保健部を担当しておられる先生の講演でした。

最近は大学も発達しょうがいの学生さんが増えて、そういう学生さんたちの相談窓口の仕事を主にしていらっしゃるそうです。



講演の内容は、元々養護学校の先生をしていらして、過去の指導経験などを織り交ぜてのお話でした。

コミュニケーションの能力を高めるには3つの要素が必要だそうです。

1つは理性的側面

文字や数字を理解できるようになるなど知的なレベルを高めていって、物事の理解を深めていくこと。

2つめは大人のコミュニケーション

子供にとって教える側の大人の態度や視線は適切なのかを判断すること。

3つめは感性的側面

直感的に相手の思っていることを理解し合うということ。。。だそうです。



自閉症の重いお子さんがいて、自傷行為も他害行為も激しいお子さんに対する指導方法の1つを紹介していました。

幸い字を書くことができたので、毎日日記を付けさせることにしたそうです。

いきなり日記をスラスラ書くわけもないので、まず最初はサイコロを振って出た面の行動をすることにしました。

「歌を歌う」、「お茶を飲む」などサイコロの文字と行動を一致させるようにしていきました。

今度は写真をいろいろと写し、「これは誰?」、「何をしているの?」などと聞く訓練を重ねました。

それから、夕食の手伝いをさせることにより、物事の流れを掴むようにしていきました。

そうして次第に日記へと移行していき、楽しいことだけを書くように指導していくとお母さんの知らないことまで書くようになったそうです。

このように「本人が意思疎通できない部分をどう解消してやるか?」ということに重点を置き、子供の体験する世界を共有することによって、喜びや悲しみを分かり合えるようにすることが大事だとありました。

冒頭にも言いましたように、最近では発達しょうがいに悩む学生さん自身を支援するため、学生支援機構なるものが6,000万円の予算を投じて、支援プログラムを作成したり、或いはトータル支援室を開設しているそうです。

私の知らない世界がまだまだいろいろあるんだなあと考えさせられました。



午後は4つの分科会に分かれて、テーマにそった話し合いが行われました。

私は去年に引き続き「福祉就労について」を選択しましたが、すでにこの夏就労体験をし、ある程度成果を得られた長男を持つ私にとって、この研修会で学ぶことはもう無いようです。

研修会に何度出席し、勉強したところで、実体験に勝るものはありませんね。