鈴蘭日記

自閉症で重度知的障がい者の息子のお話です。

よろしくお願いします。

病院へいこう。

私たち知的しょうがい児を抱える者として、一番困るのは病院での診察や治療ではないでしょうか?

今月の「手をつなぐ」ではご自分が横浜で内科医をなさっている方の記事が載っています。

少し抜粋して取り上げてみます。



~今のところ、知的しょうがい者本人にも医療者にも、必要な情報を伝えるのはやはり保護者である私たちです。
「医療者の協力を引き出していく」工夫を、医療現場を知る内科医としての視点も加えて、考えたいと思います。

●歯科では、
他の医療機関に比べると「歯科はよかった」と感じる方は多いのではないでしょうか。
しょうがい者歯科学会には多くの歯科医や歯科衛生士が参加し、30年以上前からしょうがいを持った人の歯の問題を研究しています。
ですから、どこにかかろうかと困ったときに地域の歯科医師会に問い合わせすると、適切な機関を教えてもらえるでしょう。
本人の納得が得にくいときには、治療の流れのビデオを見られるインターネットサイトもあり、見通しも立てられます。
「歯をみがく」、「口をあける」などの絵カードをダウンロードできるサイトもあります。

●歯科以外の病院探しは、
本人のかかりつけの先生がいればいいですが、いなければ、近くの養護学校に問い合わせして、学校医を聞くのが有効でしょう。
保健福祉センターの保健師さん、親同士の口コミ情報などが頼りになることもあります。
医師会では千葉と広島が協力医療機関名簿を公表しています。

●「書いて伝える」は医療者にも有効
さて、いざ診察となったら、「ちゃんと聞いてる?じっとして!」と医療者がイライラする前に、医療者側にしょうがい名や特徴を書いて伝えることが大切です。
「メガネが苦手です。」、「パニックになったら静かに見守ってください。」など簡単に書きます。
千葉、横浜、愛知、広島、帯広などでは、本人の特徴やお願いなどをあらかじめ記載しておけるサポート手帳が作成されています。
千葉県のホームページには記入例もありますので、他の地域の方も参考になります。
また、症状については本人が言葉で表現できない場合、からだの絵を用意して痛い部分に印をつけさせたり、《鼻がつまる?→はい・いいえ》のような質問表を用意して、本人に記入させたりするのも良いでしょう。

●「成功体験で終わる」が原則
診察が終わったら次につながるよう「上手にできました」と本人を褒めましょう。
無理強いはしなくていい状況なら極力、力ずくで診察したり、注射したりするのは避けましょう。
軽い病気のときに医療機関がすいている時間を見計らって「ダメなら帰る」つもりで受診体験をしておくのもいいでしょう。

●医療者にも成功体験を。
医療者に対しては「本人は待つのが苦手ですが、数字は大好きで、番号札のおかげで落ち着いて待てました。」などと褒めましょう。
さらに、広島で作成された対応マニュアルなどを教えると、次回はもっと工夫しようとしてくれるかもしれません。

●課題
今回は前もって受診の準備のできる病気を想定しました。
もっと切迫した病気の対応は残念ながらまだ手探りです。
「一秒を争う症状なのにたらいまわし」、「急性膵炎など重篤な疾患でも自己退院を余儀なくさせられた」などという話を多く耳にします。
そして、死因として多くを占める「不明死、突然死」。
知的しょうがい者であるというだけで、医学的にハイリスクグループに属すると言っても過言ではありません。
問題を把握し、対策を考え、実践を積み重ねることが急務です。



以上です。

これを書かれた先生のいらっしゃる、しょうがい児・者の医療を考える会「がじゅまる」も同時に紹介しておきます。