鈴蘭日記

自閉症で重度知的障がい者の息子のお話です。

よろしくお願いします。

逸失利益。

私が愛読する北海道のnoriさんのブログ逸失利益について問題提起がしてあったので転載させていただきたいと思います。



札幌での事件です。

重度の自閉症だった長男(17)は2005年にヘルパーの付き添われ、初めて路線バスを利用して札幌市内の公園に行った。

バスが公園内の停留所に停車し、ヘルパーが運賃を支払ってる間に、長男は道路に飛び出し乗用車にはねられ死亡した。

数ヶ月後、加害者の代理の損害保険会社は賠償金額の見積もりを提示。

しかし長男が受け取るはずの障害者年金を将来の収入と認めず、逸失利益を0と算定。

賠償金の総額は慰謝料など1600万とした。

障害者は仕事に就きにくい為収入予想額を低く算定され、障害が重度ほど逸失利益は低くなるのだそうです。

両親は「命の対価と考えられる逸失利益が0円なのは明らかな差別で、人権を無視している」と訴え、両親の代理人の弁護士も「重度の障害者でも発達の可能性はあり、逸失利益に差をつけるのは不合理。最低賃金をベースに算定するべきだ・・。」と主張している。

言葉も話せず、服も着るのも介助が必要で、赤ん坊と同じで人の世話にならないと生きていけないが、親が死んでも人にかわいがられる子になるよう愛情を込めて育てたのにと両親は「息子には生きている価値がないということか」と悔しがっているそうです。




また別の事件でのお話。

東京高等裁判所自閉症中程度の人が「調理師として働ける可能性があり、平均賃金の4,5割の収入を得る能力はあったと1800万円の逸失利益を認めた判決があるそうです。(94年11月)

ですが、しかし「一般的には将来の稼働能力が事故前にあったことを立証できなければ認定できない」そうだ・・・。




これについてはいろいろとご意見はあるでしょうが、親の立場として私がもし長女と長男を同時に事故で失った場合、長女には人並みに見合った額のお金が支払われ、長男には慰謝料しか支払われなかったとしたら、金額の問題よりもすごく虚しさが込み上げてくると思います。

どちらも私にとっては大切な子供であり、分け隔てなく愛情たっぷりに育ててきたつもりなのに、社会に対する貢献度が違うからと評価が全く違ってしまってはやり切れません。

長女同様、長男も毎日一生懸命学校に通っています。

帰りには自分の力で歩いてバス停から家まで帰ってきています。

それがものすごく素晴らしいことなんだと一般の方には見えませんかね?

重度のしょうがい児(者)ほど懸命に生きているのだということをたくさんの人に知ってもらいたいと思って私はいつもブログを書いているのです。

そして私は、長男の周りの子供たちも大好きで、その子たちのこともたくさんの人に理解してもらいたいと思いながら書いているのです。ϡ