鈴蘭日記

自閉症で重度知的障がい者の息子のお話です。

よろしくお願いします。

小学部と中学部の違い。

中学部に入学して半年が経ち、何となく中学部の特徴が見えてきました。

小学部ではほとんどなかった細かなアクシデントが中学部になるとチョコチョコ出てきます。

着替えを持たせたのにそのまま持ち帰ったり、同じプリントを2枚持ち帰ったり、連絡帳を忘れてきたり・・・。

これって先生がたるんでいるのではなく、生徒の自主性に任せているから起こるミスのようです。

小学部の頃は帰りの会の時も先生が、「連絡帳持った?水筒持った?タオル持った?」と声をかけ、それでも足りずに子供のカバンの中身をチェックしています。

小学部の先生は低学年の時から子供の成長を垣間見ているので、「できることも増えたけれどまだまだ未熟だ。」とあれこれ身の回りの世話をしたがるのでしょう。

中学部の先生はもう大人ぐらいの身長に成長し、顔つきも凛々しくなった子供たちを受け入れます。

小学部の先生たちの感覚と違い、「できることはなるべく自分でやらせよう!」とするのです。

自分の荷物は自分でチェックするようにさせ、カバンの中身もイチイチ見たりはしません。

そのため先生の対応の変化に、間に立たされたお母さんたちは右往左往するのです。

「小学部の先生は一生懸命だったのに、中学部の先生はちっともうちの子の面倒を見てくれない!」と悲鳴を上げたりするのです。



ここに面白い話がひとつあります。

夏休み明けの始業式の日、A少年が2学期に使う外履きズックや雑巾やティッシュボックスなど、山のようにカバンに詰めて学校に行きます。

ところが、A君は中身をそのままにして家に持ち帰ってきました。

これは一体誰のミスでしょう?

誰のミスでもないですね。

先生はA少年がこういう子だと学ぶべきだし、A君もまた荷物は先生に提出するものだと学ばなければなりません。

そんなふうにして子供は成長していくのですね。



私たち母親も子供に合わせて成長しなければなりません。

高等部に行けばもっともっと生徒の自主性を重視します。

確かに子供にはしょうがいがあるけれど、どこまでの支援に留めておくかを親自身が考えていかなければなりません。

あの先生の時は良かったなどと、いつまでも昔を惜しんでいても仕方がありません。

それなりに子供は考えながら成長していくのであって、親としてそれを温かく見守るべきなのだと最近になって思えるようになってきました。