鈴蘭日記

自閉症で重度知的障がい者の息子のお話です。

よろしくお願いします。

収容所

先日進路の先生と体験先へ行ってきましたが、中でもリサイクル班はとても異様な雰囲気でした。
明らかにコミュニケーション不能の最重度の方々で、しかもアルミ缶をただ力の限り棒で叩き潰し、プレハブの作業所は耳がおかしくなるくらいの大騒音でした。
みんなイライラするのでしょう。
ある利用者さんが突然暴れて大声でわめき出しました。
そんな中、端っこにこの春長男の学校を卒業した青年がいました。
あまりにも痩せこけたその姿に思わず進路の先生と「S君痩せましたね」と顔を見合わせてしまいました。
元々かなり肥満児で標準体重になっただけなのかもしませんが、それにしても卒業してたった半年で20キロくらい痩せたのではないでしょうか?
痩せ方が異常です。
しかも、Tシャツを着ていたのですが、露出した腕や首筋は無数の引っ掻き傷で血が滲んでいました。
自傷行為ならまず顔に行くはずですから、明らかに同じ棟に住む利用者さんによるものです。
入所とはこんなにも残酷で恐怖に満ちたものかと思ったら、長男に危険を感じてしまい、すぐにリサイクル班は止めにしました。
重度の知的しょうがい者にとってこのような世界は当たり前。
親もわかって入れているわけですから、誰が咎めるわけでもなく、世間やマスコミが騒ぐわけでもなく、何十年も繰り返されていきます。
知的しょうがい児って何のために生まれてくるのでしょうね。
S君を可哀相に思い、支援を手厚くし、他の人からの他傷行為から逃れるようにするためには多額の福祉予算が必要になってきます。
だから、どうしようもできないのが現実なんですよ。
そのことは特別支援学校の保護者なら誰でも覚悟していることなのです。